読書効率が2倍に。ミニマリスト医師の本棚と読書術

ミニマリスト
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こんにちは!ミニマリスト医師のえけです。

「買ったはいいものの、読まずに積まれたままの本…」
「時間をかけて読んだのに、内容をほとんど覚えていない…」

読書好きであればあるほど、こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

かつての僕も、知識欲に任せて本を買い込み、「積読の山」を築いては
自己嫌悪に陥るループを繰り返していました。
しかし、医師として脳科学や学習科学の知見に触れ、
ミニマリストとして「選択と集中」を実践する中で、ある結論に達しました。

読書の効率は、「読み方」だけでなく、
その前の「環境=本棚」を整えることで劇的に向上する
ということです。

今回は、僕が実践している
科学的根拠に基づいた「ミニマリストの本棚」と「記憶に刻む読書術」をご紹介します。


【環境編】まず「読むべき本」に集中できる本棚をつくる

読書効率を上げる第一歩は、皮肉にも「本を減らす」ことから始まります。
選択肢が多すぎると、脳はエネルギーを消耗し、本当に読むべき本に集中できなくなるからです。
これは、認知心理学でいう「選択のパラドックス」と同じ現象です。

僕の本棚のルールは、以下の3つです。

1. 物理的な本は「人生のバイブル」だけにする
 何度も読み返し、自分の血肉としたい本だけを厳選して本棚に置きます。
 それ以外の「一度読めば十分な本」や「情報収集目的の本」は、
 次に紹介する電子書籍が最適です。

2. 基本は「電子書籍」で知識を検索可能にする
 電子書籍の最大のメリットは、
 物理的なスペースを取らないこと以上に、「検索性」にあります。
 「あの本の、あの部分だけ読み返したい」と思った時に、
 一瞬でアクセスできるのは、絶大な時短効果を生みます。

3. 「オーディオブック」で耳のスキマ時間を活用する
 通勤中、家事をしながら、運動中など、目は使えないけれど耳は空いている時間。
 この「耳のスキマ時間」を読書時間に変え、インプットの機会が飛躍的に増えます。

この3つのルールで本棚をミニマルに保ち、
「今日は何を読もう?」と悩む認知コストをゼロにすることが、効率化の第一歩です。


【実践編】記憶に刻むための精読「アクティブ・リーディング」

本棚を整えたら、いよいよ実践です。
僕が意識しているのは、
「ただ読む」という受動的な行為ではなく、脳を能動的に使う「アクティブリーディング」
今回は、学習科学で効果が証明されている「PQ4R メソッド」をベースにした、
僕の読書術を3つのステップでご紹介します。

今回は、この効果的な手法をベースに、
僕が実践している読書術を「読む前」「読んでいる最中」「読んだ後」
3つのステップでご紹介します。

【読む前】脳のアンテナを立てる

本をいきなり1ページ目から読み始めるのは非効率です。
まずは脳に「これからこういう情報を探しますよ」と指令を出す準備運動から始めましょう。

サーベイ(下調べ)

目次・前書き・後書きに目を通し、本の全体像をざっくりと把握します。
全体をパラパラめくり、太字や図表を眺めるだけでも効果的です。

クエスチョン(質問)

次に、自分自身に質問を立てます。

「この本から自分は何を得たいのか?」
「この章で大切なものはなにか?」

など、問いを持つことで読書の目的が明確になります。

【科学的根拠】
脳には、自分が必要だと意識した情報だけを拾い上げる
「RAS(網様体賦活系)」という機能があります。
事前に問いを立てることで脳のアンテナが立ち、
関連情報が驚くほど頭に入ってくるようになります。

【読んでいる最中】記憶のフックをつくる

ここからが読書の本番です。
「ただ読む」のではなく、記憶に残りやすくするための工夫を取り入れます。

リード(読む)

先ほど立てた「質問」に対する答えを探しながら読み進めます。
重要だと思った箇所にはマーカーを引きながら読みます。
これはあくまで後で復習しやすくするための目印です。

マーカーを引くだけでは、学習効率は上がりません。

リフレクト(熟考)

読んだ内容を自分の持っている知識と関連つけます。

「これは、あの時の経験と同じだな」
「あの本で読んだ内容とつながるな」

など、既存の知識をフックにすることで、新しい情報が記憶に定着しやすくなります

リサイト(暗唱・想起)

読書中に最も重要なのは、このステップです。

1つの章やキリの良い部分まで読んだら、
一度本を閉じ、内容を自分の言葉で要約してみてください。
「えーっと、何が書いてあったかな?」と思い出す
この能動的な行為こそが記憶を定着させます。

【科学的根拠】
これは「アクティブ・リコール(能動的想起)」、または「テスト効果」と呼ばれ、
学習科学において最も効果的な勉強法の一つです。
思い出すというアウトプット作業を挟むことで、
脳内の神経回路が強化され、知識が長期記憶へと移行しやすくなることが
数々の研究で示されています。

【読んだ後】知識を「使える武器」に変える

本を読み終えても、それで終わりではありません。
知識は使って初めて、本当の意味で自分のものになります。

レビュー(復習)

少し時間を開けてから、マーカーを引いた部分や要約を見直します。
自分自身のクイズを出すのも効果的です。

アウトプット(出力)

そして最後の仕上げが、アウトプットです。
読んだ内容を

  • 「誰かに話す」
  • 「SNSやブログで要約を発信する」
  • 「仕事や生活で実践してみる」など

必ず、具体的な行動に移してみましょう。

【科学的根拠】
学習定着率を表す「ラーニングピラミッド」においても、
「他者に教える」ことの定着率は90%と非常に高い数値を示しています。
人に説明しようとすることで、自分の理解が曖昧だった部分が明確になり、
知識が脳内で再構築され、深く整理されるのです。


まとめ:読書は「アウトプット」までがワンセット

ご紹介した方法をまとめると、以下のようになります。

  1. 環境:本棚をミニマルにし、「読むべき本」に集中する環境を作る。
  2. 読む前:問いを立て、脳のアンテナを立てる。
  3. 読書中:アクティブ・リコールで、記憶に刻み込む。
  4. 読後:アウトプットして、知識を自分のものにする。

読書とは、情報をインプットして終わりではなく、それを自分の言葉でアウトプットし、
行動を変えるまでがワンセットです。
この読書術を実践すれば、インプットの質と効率が飛躍的に高まり、
あなたの人生を豊かにする「血肉」となる読書体験ができるはずです。

☑️今日のミニマリズム・アクション

まずは今、一番読みたいと思っている本を1冊だけ選びましょう。
そして、1ページ目から読む前に、
目次と前書き・後書きだけを読んで
「この本から何を得たいか?」を一つだけ自問してみてください。

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