情報過多な現代で、医師が実践する「情報断捨離」のススメ

ミニマリスト
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こんにちは

「朝起きてすぐにスマホをチェックし、通勤中はニュースアプリとSNSを往復。
仕事中も絶えず通知が鳴り、夜は動画サイトを見ながら眠りにつく…」

現代を生きる僕たちは、常に膨大な情報にさらされています。
便利になった一方で、「情報疲れ」を感じている方も多いのではないでしょうか。

医療の現場でも、
情報過多によるストレスで心身のバランスを崩してしまう方をしばしば見かけます。
実は、モノを減らす「断捨離」と同じように、
情報も自分にとって本当に必要なものだけを選ぶ「情報断捨離」が、
心と頭の健康を保つ上で非常に重要です。

この記事では、僕が日々実践している「情報断捨離」の具体的なステップと、
それによって得られる心豊かな生活についてお伝えします。

なぜ今、「情報断捨離」が必要なのか?

情報過多がもたらす心身への悪影響(医師の視点から)

私たちの脳が一度に処理できる情報量には限界があります。
許容量を超える情報に常にさらされていると、
脳は常に興奮状態(交感神経が優位な状態)になり、
次のような不調を引き起こすことがあります。

  • 認知機能の低下:頭の働きの低下
    • 集中力の低下: 注意が散漫になり、仕事や勉強の効率が落ちる。
    • 記憶力の低下:不要な情報で脳のメモリが圧迫され、物忘れが増える。
    • 判断力の低下: 小さな選択を繰り返しで脳が疲労し
             重要な決断を下すエネルギーが枯渇する(決断疲れ)。
  • 精神面の不調;
    • ストレスの増大: ストレスホルモン「コルチゾール」が増加し、
              脳が休まらず、常に緊張状態になる。
    • 不安の増大:コルチゾール過剰により漠然とした不安を感じやすくなる。
    • 自己肯定感の低下:SNSなどで他人のキラキラした部分と
               自分を比較し「ソーシャル疲れ」に陥る。
  • 睡眠の質の低下:
    • 寝る直前までスマホなどからブルーライトを浴びることで、
      睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制され、
      寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりする。
  • その他:意欲・思考力・判断力・感情コントロール力の低下、
        身体的な不調(肩こり、頭痛、消化器症状)を引き起こす可能性がある。

これらは、いわば「脳のメタボリックシンドローム」とも言える状態です。
更に、SNS を見ることで、快楽物質「ドーパミン」が過剰分泌されて、
スマホや情報そのものへの 依存へつながるリスクもあります。

健康のために食生活を見直すように、脳の健康のために情報摂取の習慣を見直す必要があります。

ミニマリスト的思考と情報断捨離

ミニマリズムの本質は、単にモノを減らすことではありません。
「自分にとって本当に大切なものは何か」を見極め、選択すること。
すなわち、大切なもの以外をそぎ落としていく思考法です。

この考え方は、情報との付き合い方にもそのまま当てはまります。

  • モノ: 「なくても困らないモノ」を手放す
  • 情報: 「知らなくても困らない情報」を遮断する

持ち物を厳選することで生活空間に余白が生まれるように、
情報を厳選することで、思考と時間に余白が生まれるのです。

意図的に「ぼーっとする」ことが、脳の健康維持には大切です。

医師が実践する!具体的な情報断捨離3ステップ

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
僕が実践している3つの簡単なステップをご紹介します。

ステップ1:インプットを「意識的」に選択する

まずは、自分に入ってくる情報の「蛇口」をコントロールすることから始めましょう。

  1. プッシュ通知は「必要最低限」に絞る
    • SNS、ニュースアプリ、ショッピングサイトなどの通知は、
      思い切ってオフにしましょう。
    • 「本当に即時性が必要な情報とは何か?」を自問し、
      連絡アプリなど、ごく一部に限定します。
    • 「自分が見たい時に、自分の意思で情報を取りに行く」
      というスタンスが重要です。
  2. SNSとの付き合い方を見直す
    • 目的もなくタイムラインを眺めるのはやめ、
      見る時間や目的(例:友人との交流、情報収集など)を決めましょう。
    • フォローしているアカウントを見直し、
      「見るたびに少し疲れる」「有益だと感じない」アカウントは、
      ミュートやフォロー解除を検討します。
  3. ニュースのインプットを習慣化する
    • 様々なメディアをだらだらと見るのではなく、
      信頼できる情報源(新聞や特定のニュースサイトなど)を1〜2つに絞ります。
    • 「朝の通勤中に10分だけ」など、
      時間を決めてチェックするルールを作りましょう。

僕は、LINE のプロフィールコメントに、「21:00-8:00 は返信しません」と
書いておくことで、LINEの返信しなくても問題ない状態にしています。

ステップ2:思考のノイズを減らす

次に入ってきた情報を整理し、頭の中をクリアにするステップです。

  1. デジタルデトックスの時間を設ける
    • 「寝る前1時間はスマホを触らない」「週末の午前中はデジタル機器から離れる」など、
      意識的に情報から離れる時間を作りましょう。
    • 空いた時間で散歩をしたり、本を読んだり、家族と話したりすることで、
      脳をリラックスさせることができます。
  2. 「シングルタスク」を心がける
    • 音楽を聴きながら仕事をする、テレビを見ながら食事をするといった
      「ながら作業(マルチタスク)」は、
      脳を疲れさせ生産性を下げることが分かっています。
    • 一つの作業に集中する「シングルタスク」を意識することで、
      質の高いアウトプットと心の平穏が得られます。

マルチタスクなどは、前回説明した「注意資源が奪われている」という状態ですね。

ステップ3:物理的に情報を手放す

最後に、溜め込んだデジタルデータを整理して、物理的にもスッキリさせましょう。

  1. 不要なデジタルデータを定期的に削除する
    • スクリーンショットやブレてしまった写真
    • 使っていないアプリ
    • 読み返すことのない古いメールやチャット
    • これらを月に一度見直して削除するだけで、
      スマートフォンの動作が軽くなるだけでなく、不思議と頭の中も整理されます。
  2. 不要なつながりを定期的に削除する
    デジタルデータだけでなく、人間関係もミニマルに。
    • 1ヶ月以上ミュートにしても問題のなかったSNSのフォローを解除しましょう。
    • 2ヶ月以上確認していない Youtube チャンネルを削除しよう。
    • 1年以上連絡を取っていない、LINE などの連絡先を削除しよう。

僕は、新年になるたびに連絡を取っていない人の LINE を整理していますが、
それで困ったことは一度もありません。
大切なのは、今の自分にとって心地良い関係性です。

まとめ

情報断捨離は、情報化社会から逃げるためのものではありません。
膨大な情報の中から「自分にとって本当に価値ある情報」を取捨選択し、
情報に振り回されるのではなく、情報を主体的に使いこなすためのスキルです。

情報断捨離を実践することで、

  • 本当に大切なことに使える時間が増える
  • ストレスが減り、心が穏やかになる
  • 集中力が高まり、仕事や学びの質が上がる
  • 心に余白が生まれ、新たなアイデアが湧きやすくなる

といった多くのメリットがあります。

まずは、この記事で紹介した小さなステップから試してみてください。
少しずつ実践していくことで、
あなたの生活はよりシンプルで、本質的な豊かさに満ちたものに変わっていくはずです。

☑️ 今日のミニマリズムアクション
スマートフォンのホーム画面を見て、
1ヶ月以上使っていないアプリを1つアンインストールしてみましょう。

スマホ脳(新潮新書)

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